2005年05月29日

機動戦士Zガンダム劇場版第一部「星を継ぐ者」

飯田でのLIVE観覧記事はまたも後回し、、、。
昨日が初日の「Z」レビューを。

事前に見かけたブログの評で50点としたのがあったが、もう少しつけて65〜70点位はつけても良いかもしれない。
一言でまとめるなら、これは(今のところ)カミーユ・ビダンの物語では無く、シャア・アズナブルの物語になっている、と言うところか。


問題点は多い。
@エイジング処理を使っても、オリジナルと新作部分の間の差を埋められなかった。違和感が残る。断然新作部分が良い。
Aやはり尺は短く、詰め込みすぎのキライはある。劇場数を絞って5部作位にできれば余裕もあったろう。(成績いかんで劇場数は変動するのだし)
B結果、話はさくさく進む代わりに登場人物や物語への感情移入はし辛く、TVシリーズからの情報を補完しないと話の流れがわからんのでは無いかという位、情報量は削られた。(その代わり後述の利点も出たのだが)
Cよって、独立した映画とは言いがたい、現在のガンダムワールドの一部に位置づけて始めて機能する作品となった。(富野さんの小説版等のパラレル作品だと思った方が良いだろう)すなわち一見さんお断り、リアルタイムでの「Z」視聴者、および、最近販売のDVD等で一通り「Z」のアウトラインを把握した、コアなファン向けの「リミックス総集編」と言える。

 上記Aに関しては、一部の人物を切っても良かったんじゃないかとも思う。ジェリドの先輩達とかロザミア達とか、、、。後、シロッコの登場が顔見世程度だった事も気になる(伏線と見るべきだろうが)。
 三部作出揃わなければ評価出来ないが、ハマーンをどう処理するのかとか、少し不安。(第二部が「恋人達」だから、シャアとの絡みを重視するのかな)
後、苦言を呈さなければならないのはOPのガクトの歌(木星から地球圏にカメラが寄ってゆくシーン)。あれは切って、尺を他に回すべきだった。EDのみで充分だ。

一方改良点も大きかった。
@とにかく話が整理され、この話が連邦軍内の内ゲバである事がわかりやすくなった。
A「カミーユを健やかにする」というより、「カミーユを子供として描くことで脇に回す」「シャア達大人の物語にする」狙いが明確になった。
B「WBクルーが独自に動いている」点も強調され、ファーストの正統な続編としての位置づけを与える事に成功。
C感情移入しやすい陰翳は失われたが、活劇としての躍動感は持続し続け、「続きを観たい」とはっきり思わせる。
D尺の短さも見る側の生理に合わせる点では成功。調度良い頃合で終わる。
「続きを観たい」と思えるのも腹八分目だからだし、これで10月に第二部が間に合えば、連続物としての効果も出るだろう。

 内省的な部分は殆ど消え、登場人物はどんどん先に進んでゆく。「カミーユを健やかにする」狙いはおそらく成功してゆくだろう。とにかく悩む暇も無く話が進むんだから。(反面、今のところ彼は状況に巻き込まれた脇役に甘んじている)
 一方大人達は、オリジナルよりはるかにしっかりした存在としてぐいぐい物語を引っ張って行く。
 シャアは悩み多きクワトロ・バジーナではなく、シャア・アズナブルとして行動する。クレジットもシャア・アズナブルとしてある。この製作者側の判断は大きいし、成功していると思う。
 Aに関して補足すると「カミーユが(シャア、エマ・シーンの前で)レコア・ロンドに甘えるシーンを加えるだけで、カミーユの性格を正の方向に変える事に成功した」と言う様な富野さんの発言があったが、これすなわち「カミーユを成長の余地の大きい子供として描く」「周囲の大人が信念持って大人の役割や腹芸までしっかり果たす」「シャアがクワトロを名乗るのは逃避ではなくあくまで方便だと判る」描写となっている。
 レコアの位置づけの変更(減少)も大きかった。まず、カミーユが彼女を慕うに到る過程が抜けている為、上記のシーンはいささか唐突に見える。
オリジナルのジャブロー潜入では、絵での直接描写こそないものの、連邦軍に拘束された際にレイプされた様な仄めかしがなされ、その後クワトロに突き放されシロッコの元へ寝返る契機になるのだが、今回はそれはなさそうだ。オリジナルでの暗黒面を形成する大きな要素であるのでこの変更は重要だ。
 以下は予想であるが、レコアの物語上の重要性は減ってしまった為、早い段階での戦死での退場もありうる。
 もう一つ、シロッコの女性上位の独特な哲学も登場せず、彼は脇役に徹する事になるかもしれない。これはラストの大幅な変更に繋がるはずだ。

 とにかく、独立した映画としての出来はさておき新訳を銘打った第一弾としては概ね成功だろう。オリジナルのダークさに固執して全否定するのは野暮だし、もったいない。是非続きが観たい。第二部・第三部とも、期待と不安が入り混じる状況で待つ事になりそうだ。
posted by めたろう at 09:38| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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